活動報告

AGS年次総会報告 (2011年)

1月23日-25日の間、AGS(The Alliance for Global Sustainability)の年次大会が、イエテボリで開催されました。
AGSは、従来、東京大学、スイス連邦工科大学、MIT、チェルマーズ工科大学の4大学がネットワークを組み、地球のサステナビリティについて、例えば、エネルギー、都市計画、水、森林資源等の領域で研究成果の交換や共同研究を行ってきました。今回は、それらに加え、スイス連邦工科大学のアイヒラ学長の提案で、高齢社会問題を扱う本格的なセッション(Commencement of research agenda setting within ageing and sustainability)が設けられました。

このセッションの中で、当センター坂田一郎教授が、上記PDFファイルの発表を行いました。内容は、最新の世界ジェロントロジー学MAPの提示と、既存のコミュニティの壁を越えた研究協力(Boundary Spanning)の効果・価値についてです。その他の発表は、モビリティ、オンデマンドバス、加齢と交通安全、高齢者対応の住宅、加齢と健康に関するもので、かなり、この領域を広く俯瞰したものでした。また、新領域の大和先生の研究と類似のオンデマンドバスの実証が、イエテボリ市周辺で広く行われていることがわかりました。

イエテボリ市(Gothenburg、スエーデンの第2の都市)は、市電とバスがかなり発達しているとともに、高層ビルがほとんどなく、我々の「活力ある高齢社会に向けた研究会報告書」でいう「フラットトランスポーテーション」の典型というべき町です。

当センターでは、今後、AGSやドイツ科学技術アカデミー等との協力関係を活かして、次世代の高齢化社会の総合的デザインに関する研究を進めていきます。