政策ビジョン研究センター設立記念フォーラム

小宮山総長メッセージ

21世紀の人類が直面する2つの大きな変化は、「小さくなった地球」と「高齢化」である。これら変化は急であり、そこから生じてくる様々な課題の解決のために人類に残された時間は少ない。

我が国は変化に真っ先に直面する「課題先進国」であるが、それを世界の「課題解決先進国」へと変える必要がある。課題解決の難しさは、問題が複雑化していることに加え、活用すべき「知」が「知の爆発」の中で細分化しているということがある。課題解決には、先端的な「知」の統合が不可欠である。

東京大学は、世界最高のシンクタンクとなる研究能力があり、また、大学は「知」の統合の場としてふさわしい。今、東京大学が行動する必要がある。そのために組織的な対応をするための仕掛けとして、「政策ビジョン研究センター」を創設した。

同センターの基本コンセプトは、「ハブとネットワーク」である。
センターは、ハブとして、東京大学5000人が持つ知を必要に応じてネットワークし、統合をするという活動を期待する。この「ハブとネットワーク」というコンセプトはまた21世紀におけるシンクタンクの新しいデザインを示したものと考えている。