PARI政策研究会 特別セッション
Jonathan B. Wiener(ジョナサン・B・ウィーナー)教授 講演会
Risk, Precaution, and Tradeoffs in a Complex World
(複雑な世界におけるリスク・予防・トレードオフ)
日時: 2011年7月11日 9:30〜11:30
場所: 東京大学医学部総合中央館(図書館)3階会議室(9時開場)
地図:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_02_01_j.html
定員:100名程度
日時:2011年7月11日(月) 9:30〜11:30(9:00開場)
入場料:無料
申し込み方法:専用サイトから事前登録をお願いします。
言語:英語のみ
※聞き取りやすい英語です。ゆっくり話してもらうように伝えてあります。
共催:(独)産業技術総合研究所安全科学研究部門、東京大学政策ビジョン研究センター、人社異分野融合事業「公募型研究領域」・公共的コミュニケーションの可視化−複雑社会における政治的法的判断の構造(代表城山英明)
中継:Ustreamでの中継も検討しています。 (中止になりました。)
プログラム
司会進行 岸本充生(産業技術総合研究所)
9:30〜9:40 開会挨拶 城山英明(東京大学政策ビジョン研究センター長)
9:40〜11:00 ジョナサン・B・ウィーナー教授講演
11:00〜11:25 質疑応答
11:25〜11:30 閉会挨拶 松尾真紀子(東京大学公共政策大学院)
講演内容
私たちは「リスク社会」に生活しているとも言われるように、「リスク」は時代のキーワードになりつつあります。また、ヨーロッパを中心に予防的アプローチを求める声が強くなってきています。他方、あるリスクを下げると別のリスクが生じるというリスクトレードオフは様々な場面で見られるようにもなっています。1995年に『リスク対リスク』において先駆的な指摘を行った著者は、その後、リスクトレードオフの事例をさらに範囲を広げて収集するとともに、欧州が米国よりも一般的に「予防的である」とする仮説の検証を10年以上かけて行ってきました。この検証作業の結果は近著『予防の現実』にまとめられました。このような豊富な事例と経験に基づき、グローバル化し、様々な要素が相互に複雑に絡み合った世界の中で、リスク、予防、トレードオフをどのように考えていくべきかについての指針を提示してもらいます。
講演者紹介
ジョナサン・B・ウィーナー教授 は現在、米国デューク大学ロースクールの環境政策および公共政策教授。法学部教授でありながら、費用便益分析や排出権取引といった経済学の知見や、リスク評価に対する知識も深く、2008年には法学部教授としては初めて米国リスク分析学会会長に就任しました。主要な著作としては、1998年に昭和堂から訳本も出版されている共著、『リスク対リスク:環境と健康のリスクを減らすために』(Risk vs. Risk: Tradeoffs in Protecting Health and the Environment)が有名です。つい先日、10年間かけたプロジェクトの集大成である、"The Reality of Precaution: Risk Regulation in the United States and Europe"が出版されました。本書では、欧州と米国における様々なリスク規制を比較し、分野や年代ごとにどちらがより予防的であるかについて詳細に解析されています。他にも、2003年に出版された"Reconstructing Climate Policy: Beyond Kyoto"など地球温暖化関連の著作も多く、IPCCの会議等にも多数参加しています。彼の論文やエッセイの多くはホームページからダウンロード可能です。