国際会議 「東日本大震災後の東アジアを考える」
藤原帰一教授メッセージ
スクリプト
この度、五大学の共同のプロジェクトとして、12月9日・10日、大きな会議を開きます。プリンストン大学、高麗大学、シンガポール国立大学、そして東京大学、北京大学、この五大学から先生方が集まって、アジアの安全保障について様々な議論を行います。これは、一般のみなさんが参加できる形にしないんですけれども、このような会議をせっかく開くので、一般の参加者と共に考えるようなフォーラムを開くことができないかと考えました。その時に、やはり3月11日の東日本大震災の後でもありますから、この震災の後の世界を考えるという視点から色々考えることができないかということで、一つ企画を立てました。
この会議で大きなテーマとなるのは、何よりも震災、そしてその後の復興がどのように行われているのかという、我々にとって気になる、非常に深刻な問題が第一ですが、実に多くの国の皆さんと共にこの復興を進めることができました。世界各国、百国を超える政府からさまざまな協力が行われて、それで震災からの復興、それから原子力発電所の災害からの復興を進めることができた。災害だけではなくて、この災害からの復興についての国際協力も見据えていくということも大きなテーマです。日本だけの問題ではありません。例えば、四川での大地震の時にも、中国だけではなくて、日本を含む世界各国の協力が見られました。災害はもちろん止めようもないことですけれども、災害が起こった後は実は国際協力を進めていく上で非常に重要な時点でもあるのです。ここで、災害についての状況を共有することと、災害への対策を協力し進めていくことは、各国政府だけではなくて、アメリカを含むアジア太平洋の各国が取り組んでいく大きな課題だと思います。
ディザスター・リリーフという言葉があります。災害の後の救援ですけれども、災害救援は色々なディテールがあるわけですね。いろいろな技術的な情報があります。これを各地で十分に情報を持ったところが協力して対応することが非常に重要です。例えば、地震が起こった時に、生存者がいることを確かめることができる犬、あるいは機材を、誰が持っているのか。どのような速度で、どのように機材を送ることができるのか。ディザスター・リリーフはそれに留まらず、軍事協力の問題もどうしても入ってきます。ものを移動する時に、通常の道路が使えない時、どうしたらいいか。例えば、船で港に着けるという方法ができることがあるかもしれない。こういった、災害救援にあたっての情報の共有と、様々な方法の共有、これがディザスター・リリーフの大きな柱で、今回の会議でも、現場で様々な仕事に当たられた自衛官の方にもおいでいただいて、お話をお伺いしたいと思っております。このような会議に皆さまが積極的に参加されることを是非期待したいと思います。どうぞおいで下さい。
国際会議 「東日本大震災後の東アジアを考える」
【日時】 平成23年12月10日(土)15:00-17:00 (開場14:30)
【場所】 国際文化会館(東京都港区六本木5-11-16)