ミャンマー水力開発における社会的バリア解消のためのヒント:
モントンダムのフィールド調査を手掛かりに
こちらは、バンコク日本人商工会議所所報2016年1月号に掲載された「ミャンマー水力開発における社会的バリア解消のためのヒント:モントンダムのフィールド調査を手掛かりに(チュラロンコン大学客員研究員 山口 健介・中山大学講師 劉 大煒)」の要旨です。
要旨
本文はこちら
長期的に電力需給のひっ迫が見込まれるタイでは、ミャンマーにおける水力開発とそこからの電力輸入が1つの供給増設オプションとして期待されている。ところがシャン州におけるフィールドワークの結果は、ミャンマーの国民融和のコンテクストに広範な市民社会からのダム反対運動が位置づけられることによる、解消困難な社会的バリアの存在を示唆した(下図参照)。
こうした社会的バリアを乗り越えてきた中国投資によるダムでは、「フリーパワー・フリーシェア」といった一定の利益がミャンマー側に認められてきた。この利益配分の在り方について一層のフィールドワークを通じて考察することで、社会的バリア解消のヒントが得られるものと思われる。