気候工学シナリオ研究の今後:限定的な実施シナリオと更なる展開

2017/6/22

新たな地球温暖化対策である気候工学(ジオエンジニアリング)のシナリオ研究では、従来は自然科学的な観点で大規模実施のシナリオが想定されていました。今後は分野横断的な視点で限定的な実施シナリオについても検討が必要です。CO2排出削減などの緩和策に主軸に置く、気候工学を限定的に実施するシナリオでは、新たな環境リスクを抑制することができます。こうしたシナリオも含めてより広範な政策選択肢についてシナリオ研究をし、ステークホルダーや市民に意見を求め、専門家集団に閉じることなく広く社会で議論していく必要があります。

発表雑誌

雑誌名:Climate Policy (2017年6月8日)
論文タイトル:Next steps in geoengineering scenario research: limited deployment scenarios and beyond
著者:Sugiyama, M., Arino, Y., Kosugi, T., Kurosawa, A., & Watanabe, S.
DOI番号:10.1080/14693062.2017.1323721
記事URL:http://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/14693062.2017.1323721