政策ビジョン研究センター1周年記念フォーラム
たくさんのご来場、誠にありがとうございました。
PARI 1周年記念フォーラム 開催報告
開催概要
【趣旨】
衆議院選挙を終え、国民の政権選択について結論が出た今、「政治」から「政策」へとギアチェンジをするべき節目の時期に当っていると考えます。世界を見渡すと、金融危機の克服、社会の高齢化、地球環問題境、アジアの安全保障、都市の過密と地方の空洞化、イノベーションを阻む制度革新の遅れなど、様々な領域で解決すべき課題が山積しています。そして我が国は、世界の中でもこうした課題に真っ先に直面する国となります。政権選択に時間を要した我が国に残された時間的な猶予は少なく、課題の克服に向けて次々と政策を打ち出していく必要に迫られています。
一方、残された時間が少ないとしても、複雑で困難な課題に対して、十分な準備無く性急で安易な政策立案をすることは、国民生活や将来社会に禍根を残す結果となりかねません。真に課題解決につながる骨太な政策立案には、豊かな構想力、精査された政策選択肢、それらを裏打ちするエビデンスの3点が不可欠です。また、どの課題の解決も、既存の知の延長線上ではなし得ないことも事実です。根本の部分からこれら時代の課題にしっかりと取り組み、20年、50年、100年先を見据えつつ、「未来に向けた確かな指針」を示すことが求められます。そのような新しい世界を描き、そこに至る道筋を提示することができるのが、学術であり、大学です。とりわけ、様々な領域で最高水準の知識と専門能力を有する多数の研究者を擁する東京大学は、その基底から湧き上がる力を最大化しつつ、「世界を担う知の拠点」としての役割を果たしていく責務があると考えます。
このような問題意識を待って、昨年、総長直轄の全学横断組織として、「政策ビジョン研究センター」を設立致しました。それにより、大学自体が主体的な意識を持って取り組む体制が整えました。同センターは、東京大学内の部局が持つ多彩な知識を全学的に結びつけるとともに、海外の研究機関とも連携関係を深めることで、課題解決に結集して取り組む国内外ネットワークの「ハブ」として活動しつつあります。この一年、「政治」から「政策」の季節へのギアチェンジに備えて、準備をしてきたとも言えます。
新政権の発足直後のこの時期に、政策ビジョン研究センターが蓄積した研究成果や研究途上の調査結果等をとりまとめて発信する機会を設けることと致しました。ご紹介する内容は、すべての重要課題をカバーできているわけではありませんが、高齢化社会、医療システム、北東アジアの安全保障、技術ガバナンス、知的財産権制度、航空関連の諸制度など、早急に取り組むべき政策の立案に幅広く貢献しうるものと考えます。また、今後の政策ビジョン研究センターが行う活動の方向性や社会とのインターラクションの仕組みをどう構築するか等の点について示唆を得るため、各界の識者の方々に議論いただくパネルディスカッションも実施することと致しました。
幅広い層の方々のご参加をお待ちしております。
【日時】 | 10月28日(水) 14:00〜16:30 (※受付開始は13:30〜) |
【場所】 | 東京大学工学部2号館 講堂(213号室) |
【主催】 | 東京大学政策ビジョン研究センター |
【定員】 | 300名程度 ※入場無料・事前申込制 |