開催報告(速報版)
政策ビジョン研究センター/ミャンマー家畜・漁業・地方開発省主催ワークショップ
ミャンマー地方電化の現状と今後の政策

こちらは開催報告速報版です。詳細版は、こちらです。

2014/12/02

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概要
【日時】 2014年11月28日(金) 14:00-17:00
【場所】 家畜・漁業・地方開発省 オフィス(14) 大会議室 (ネピドー、ミャンマー)
【共催】 東京大学政策ビジョン研究センター(PARI)、家畜・漁業・地方開発省(MLFRD)
【後援】 東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)
プログラム
【オープニング・セッション:概要】
【ウェルカム・スピーチ】 H.E U Tin Ngwe (MLFRD 副大臣) (H.E U Ohn Myint大臣代理) 発表資料
【開会挨拶】 芳川 恒志 (東京大学公共政策大学院 政策ビジョン研究センター併任 特任教授) 発表資料
Mee Mee Htue (MLFRD) 発表資料
【Q&A】 司会:芳川 恒志特任教授
【東京大学の研究】
【発表】 清野 正幸 (東京大学政策ビジョン研究センター 特任研究員) 発表資料
佐々木 一 (東京大学政策ビジョン研究センター 特任研究員) 発表資料
山口 健介 (チュラロンコン大学エネルギー研究所 客員研究員)発表資料
【今後の展望】
【発表】 SoeSoeOhn (DeputyDirector, RuralElectrification,DepartmentofRuralDevelopment, MLFRD) 発表資料
【ファイナル・ディスカッション】  
【閉会挨拶】 芳川 恒志特任教授

背景

ミャンマーにおいて、オフグリッド地域における電化は主に家畜・漁業・地方開発省(Ministry of Livestock, Fishery and Rural Development, MLFRD)が管轄している。アジア開発銀行(Asian Development Bank, ADB)の支援の下行われている、電力省の電気事業法の改定と同時並行で、MLFRDは新たに地方電化法案を準備中である。このような背景を踏まえ、MLFRDへの助言をアウトリーチの一翼と位置付け、PARIはミャンマーの地方電化に関する研究に関し、従来からMLFRDと協力し一次データの共有や意見交換等を精力的に行ってきたところである。

目的

本ワークショップの目的は、下記の通りであった。

  1. ミャンマー国農村電化に関する課題を議論し明確にしたうえで、将来的な政策の選択肢に示唆を得ること。
    • PARIはこれまでのERIA委託研究の現段階での成果について発表すること。
    • MLFRD・関連省庁及び民間からの参加者は、現状の政策及び今後の期待について説明すること。
  1. さまざまな省庁や民間セクターなど組織の垣根を越えた議論の場を提供することを通じて、確かな現実認識に基づいた政策立案、政策議論の透明性の確保、人的資源の更なる伸長、知見の広範な共有を達成すること。

概要

U Tin Ngwe家畜・漁業・地方開発省副大臣

2014年11月28日、PARIはミャンマーの地方電化に関するワークショップを家畜・漁業・地方開発省(MLFRD)と同省大会議室にて開催した。当日は、MLFRDはじめエネルギー省や電力省など関連省庁の行政官、ミャンマーエンジニアリング協会等民間から50名余りが集まり、活発な議論が展開された。
第1に、U Tin Ngwe副大臣(MLFRD)が冒頭挨拶を述べた後、芳川特任教授から東大のプロジェクトの問題意識やアウトラインを、MLFRDから地方電化に関する現状と政策について、それぞれ説明した。この後、ミャンマーのエネルギー関連の課題が議論された。小規模の成功事例を作る重要性、国境地域開発における平和構築との折り合い、今後のエネルギーミックスにおける脱水力依存等が確認された。第2に、東大がこれまで行ってきた定量研究及び定性研究について説明がなされた。定量研究については、世界銀行の行っている同様の研究との試算値の差異について質問がなされた。これは、MLFRDでは各プロジェクトの比較研究を通じて、ミャンマー独自の骨太の計画作成を目指していることが背景にある。第3に、MLFRDより地方電化法案の現状について説明があった。ここでは、オフグリッド電化における資金調達のあり方が1つのポイントとなっている。他方、技術的な側面では、同国内の電力エンジニアのエクスパティーズ向上が喫緊の課題となっている。今後、技術者のキャパシティディベロップメントについて更なる協力を要請された。
今回の最大の収穫として、今後のさらなる協力に向けてMLFRDとPARIとの間で枠組みを検討していくことがMLFRD副大臣と芳川特任教授の間で確認された。細部については今後検討される。更なる協力の確認の場として、2015年5月に第2回ジョイントワークショップを行う事が確認された。生産的な協力を通じて、実効的な政策研究を生み出すことが望まれる。

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