公開シンポジウム 政府研究開発プロジェクトの制度と効果的マネジメントを考える
日本版バイ・ドール制度の活用 PDF(2014/6/23現在暫定版)
開催主旨
政府の委託研究など国原資の研究成果の成果は原則国帰属となります。しかし1999年に施行された産業活力再生特別措置法(1999年施行2003年改正)30条によって、国から委託された大学の研究成果である特許の管理活用は、委託先の企業等に委ねられることが認められるようになりました。つまり実質的には企業自身の特許と同様の管理活用が可能となっています。この制度は、米国で1980年に施行されたバイ・ドール法に類似した制度という意味で、日本版バイ・ドール法と呼ばれています。自らの発明であるにも関わらず権利者になれないためインセンティブに欠けるとされたことに対する施策であり、企業からは歓迎され、その後10年の経緯を経て多くの特許出願がこの制度のもとで行われました。
しかし近年このようなバイ・ドール特許の活用が低調であるとの指摘がしばしばなされています。東京大学知的資産経営研究講座では、NEDOの委託事業「知的資産経営研究講座」の研究活動の一環として、各国バイ・ドール制度についての調査研究や、日本のバイ・ドール特許の実証分析を行ってまいりました。そこからは、一口にバイ・ドール制度と言っても各国制度の制度目的や運用に大きな差異があることや、特許の引用関係からはプロジェクトの成果が、必ずしも当初の目的に沿って展開されない状況も把握できています。
今回のシンポジウムは、バイ・ドール制度の持つ本来の目的と意義の理解を基に、この制度の利用実態を踏まえ、政府研究開発の制度趣旨に沿ってその成果を真に生かしていくために、政府研究開発プロジェクトの管理方法や成果の活用方法などについて議論することを目的としています。
【日時】 | 2014年7月11日(金) 13:30-17:30(13:00開場) | |
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【会場】 | 三菱ビル コンファレンススクエアM+ 10F グランド(東京駅直結) MAP | |
【主催】 | 東京大学政策ビジョン研究センター 知的資産経営研究講座 | |
【共催】 | 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 | |
【入場料】 | 無料 | |
プログラム案
【オープニング】 13:30〜13:40 |
挨拶 | |
主催者挨拶 | 未定 | |
共催者挨拶 | 未定 | |
司会 | 渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター教授) | |
【第一部】 13:40〜15:20 |
知的資産経営研究講座研究報告会 | |
①概要報告 | 「知的資産経営における日本版バイ・ドール制度の目的と意義」 | |
報告者 | 渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター教授) | |
②テーマ講演 | 「政府支援の共同研究について(1990-2010年の米欧日政策の歴史的理解から)」 | |
講演者 | 立本博文(筑波大学大学院ビジネス科学研究科准教授) | |
③調査報告 | 「政府研究開発に関する法制度各国比較」 | |
報告者 | 古谷真帆(東京大学政策ビジョン研究センター特任研究員) | |
④分析報告 | 「NEDOバイ・ドール特許の実証分析」 | |
報告者 | 吉岡(小林)徹(東京大学工学系研究科技術経営戦略学専攻・学振特別研究員) | |
15:20〜15:30 | (休憩) | |
【第二部】① 15:30〜16:00 |
政府研究開発プロジェクトをどう生かすか | |
講演 | 「経産省産業構造審議会における知財戦略の議論から」 | |
講演者 | 渡邊昇治(経済産業省産業研究開発課長) | |
【第二部】② 16:00〜17:30 |
パネル討論 | |
モデレーター | 渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター教授) | |
パネル | 鈴木潤(政策研究大学院大学教授) | |
立本博文(筑波大学大学院ビジネス科学研究科准教授) | ||
東條吉朗(新エネルギー・産業技術総合開発機構プログラムアドバイザー) | ||
堤和彦(日本経済団体連合会知的財産委員会企画部会部会長、三菱電機株式会社顧問) | ||
小蒲哲夫(東京大学産学連携本部知的財産部長) | ||
【クロージング】 17:30〜17:40 |
総括 | |
司会 | 渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター教授) |
お問い合わせ
東京大学 政策ビジョン研究センター 知的資産経営研究講座 事務局
〒113-0032 東京都文京区弥生1-1-1 分子生物学研究所本館301号室
電話 03-5841-8608 FAX 03-5841-8616