【知的資産経営研究講座 | Intellectual Asset-Based Management Research and Education Program】企業の保有する特許や技術ノウハウなどの知的資産が、その企業の競争力や収益につながるためには、競争力の源泉であるクローズ領域と、技術のブローバルな普及のためのオープン領域を適切に切り分けたしっかりした企業戦略が必要です。本講座の活動は、これらの企業の知的資産マネジメントの具体的実践についての研究、及び、新興国等における知財・標準・イノベーションに関する研究を行い、その成果を、東京大学における教育に生かしていくことと同時に、公開講座等を通じて広く社会への普及を図っていくことを目的として行われています。

IoT、BD、AI時代の知財戦略を考えるシンポジウム

—データとノウハウの保護・共有と活用のために—

※申込受付を締め切らせていただきました。たくさんのお申込ありがとうございました。(2016.5.18)

2020年には250億台~500億台の機器がインターネットにつながると予想されています。接続された巨大なネットワークには、一方向の端末にはあらゆる輸送機器や工作機械、金融システム、医療機器や住宅や店舗の機器などがつながります。一方向の端末に接続された人工知能が、それらの機器から発生する大量のデータを学習材料として利用し高度なサービスを提供することになります。このシステムが機能すれば、製造業やサービス産業の生産性は向上し、サプライチェーンと需給関係の革新につながることが期待されています。

このIoTのシステムを支える重要な課題として、人工知能の栄養とも言うべきデータの共有が円滑に進むかどうかという点があります。しばしば個人データを含むことから、個人情報保護の観点でしばしば議論されてきました。しかし今後は企業の現場や製品から発生するデータの重要性が格段に増していきます。これらのデータは、企業間の契約によってそのデータを利用する権利が発生します。一般的なデータそのものは知的財産権の保護対象には当たらないが、契約によって発生する事実上の知的財産ともいうべき権利は、IoTにおける技術戦略上極めて重要になってきています。

本シンポジウムでは、このようなIoT、BD、AI時代において重要性を増すデータに関する知財戦略について議論を行います。そのポイントとしては、IoT、BD、AI時代において必須の知財「データ」をどう扱えばいいのか、それをどのような条件のもとに活かしていけばよいのかを少しでも明らかにできればと思います。

【日時】 2016年6月20日(月)13:00〜17:00 (開場 12:30予定)
【場所】三菱ビル コンファレンススクエアM+ 10F グランド(東京駅直結) MAP
【主催】 東京大学政策ビジョン研究センター 知的財産権とイノベーション研究ユニット
【共催】独立行政法人経済産業研究所(RIETI)
【後援】 一般社団法人日本知財学会
【参加費】無料・要事前登録
【受付締切り】※定員のため、お申込受付を締め切らせていただきました。(2016.5.18)

プログラム

13:00-13:10 オープニング

13:10-13:40 基調講演 「企業のIoT、BD、AI戦略」
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冨山和彦(株式会社経営共創基盤 代表取締役CEO)

13:40-14:10 基調講演 「データ知財とオープン&クローズ戦略」
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小川紘一(東京大学政策ビジョン研究センター 客員研究員)

14:10-14:40 レポート&プラン 「技術ノウハウ調査研究とデータ知財戦略の提言」
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渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター 教授、元RIETIファカルティフェロー)

14:50-16:50 パネル討論

モデレーター 渡部俊也(東京大学政策ビジョン研究センター 教授、元RIETIファカルティフェロー)
パネリスト
堤和彦(三菱電機株式会社 顧問)
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戸田裕二(株式会社日立製作所 知的財産本部副本部長 兼 知財ビジネス本部長)
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別所直哉(ヤフー株式会社 執行役員(広報・法務・政策企画・公共サービス管掌))
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上野剛史(日本IBM株式会社 理事・知的財産部長)
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丸山宏(株式会社Preferred Networks 最高戦略責任者)
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立本博文(筑波大学大学院ビジネス科学研究科 教授)
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オブザーバー 諸永裕一(経済産業省経済産業政策局知的財産政策室 室長)