リスクカフェ
第6回 地震・津波リスク 専門家フォーラム報告

立地自治体と語り合う“リスク”と不確実性と専門家の役割

東京大学政策ビジョン研究センター 社会的合意形成支援研究ユニット

詳細版記録(490KB)

日時:平成26年12月7日(日) 13時〜16時30分
場所:東京大学 農学部 セイホクギャラリー

主旨 専門家の議論を社会に開いていくために

このプロジェクトを提案したそもそもの理由は、原子力施設の地震・津波リスクに関する専門家同士の議論がかみあっていないように見えたこと、本来リスクの問題は専門家だけでなく、関係する人々が議論に参加すべきではないかと考えたことからでした。

第1回から第5回までの専門家フォーラムを通じて、異なる分野・領域の専門家間で議論することが可能であり、かつ科学的不確実性をはらむ問題では専門家間の熟議が重要であることを示してきました。

第6回は、社会と議論するための第一歩として、原子力立地自治体の行政の方々にご参加いただき、地震・津波に係る科学的知見とその不確実性、“リスク”と専門家の役割について議論していただくことにしました。

構成

1.自治体からの質問に答えて
事前に寄せられた自治体からの質問に、専門家が答えました。特に議論になったのが変位の見積もりの可能性や対策の考え方でした。

2.専門家の役割と活かし方
「なぜ専門家の見解が異なっているのか」 これが自治体から寄せられた共通の疑問でした。特に見解が分かれる活断層認定の問題について、なぜ見解に相違があるのかを専門家から解説していただきました。どのような活断層についても意見が分かれるわけではありません。判断が難しいからこそ、自然や科学的知見に対する考え方によって見解が異なってしまいます。これは、活断層認定だけの問題ではなく、どのような科学にも存在する問題です。科学的不確実性をはらんだ問題を考える上で、専門家はどのような役割を果たせばよいのでしょうか。専門家を適切に活用するために社会の側にはどのような心構えと仕組みが必要でしょうか。結論はでませんでしたが、科学的知見を社会に生かすために何が問題かが議論されました。