宇宙政策・サイバーセキュリティに関する外交安全保障シンクタンク形成プロジェクト

技術ガバナンス研究ユニット内プロジェクト、2015年3月終了)

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趣旨

近年、新たな外交課題として、宇宙空間とサイバー空間をめぐる問題が重要性を高めています。科学技術の発展が生み出したこの新たな領域では、国際ルールの形成や国際協力のあり方、日本や国際社会の平和と安定との関係、日本の役割や国際貢献など、外交・安全保障の観点からも日本の戦略のあり方が問われています。

本プロジェクトは、外務省の外交安全保障調査研究事業費補助金(総合事業)の支援を受け、東京大学政策ビジョン研究センターと株式会社三菱総合研究所が連携して実施しています。宇宙とサイバーをめぐる外交・安全保障上の課題についての調査研究と行うとともに、政策選択肢の発信を通して、宇宙政策やサイバーセキュリティに関するシンクタンク基盤の形成を目指します。

内容

宇宙は、今や地上に暮らす人々にとって欠かせない空間となっています。国家や国際社会の平和と安定にとっても重要な領域です。今では、先進国のみならず、途上国を含む多くの国や地域、国際機関等が様々な目的で宇宙を利用しています。こうした現状の中で、宇宙における国際ルールをどのように形成していくべきか、日本や国際社会の平和と安定のために宇宙をどのように活用していくべきか、日本は宇宙協力を通して如何に国際的役割を果たしていくべきかなど、宇宙に関わる外交・安全保障戦略のあり方が問われています。

また、サイバー空間における外交安全保障上の課題も近年ますます重要性を高めています。情報技術の発展は、国家と国際社会のあり方を大きく変容させています。また、社会が情報インフラに依存するにつれ、サイバー空間の安定は、国民生活や経済活動、さらには国家の安全にとっても不可欠な要素となっています。宇宙と同様、国境をもたないサイバー空間の安定を図る為には、従来の安全保障に加え、国際協力による規範の形成が欠かせません。日本としてもサイバーセキュリティに関する外交戦略を確立するとともに、国際的な規範の形成に貢献していくことが重要となっているのです。

本プロジェクトでは、このような宇宙・サイバーをめぐる外交安全保障上の課題について調査研究を行います。具体的には、以下の5つのTASKを設定し、研究基盤の形成と調査分析活動を進めています。

TASK1: 基盤的情報収集
TASK2: 宇宙空間における国際秩序形成に向けた多国間協力枠組みに関する調査・研究
TASK3: ASEANなど新興諸国との宇宙協力や日本の宇宙外交に関する調査・研究
TASK4: 日米を基盤とする安全保障分野での宇宙利用に関する調査・研究
TASK5: サイバー空間における国際規範形成に向けた日本の外交戦略に関する調査・研究

イベント開催報告

日米宇宙協力に関するシンポジウム(2015年2月13日開催)
宇宙政策ワークショップ「アジアにおける社会発展と宇宙法政策」(2014年12月3日開催)
宇宙政策シンポジウム「宇宙をめぐる国際関係と日本の役割」(2014年2月4日開催)

プロジェクトリーダー

城山 英明教授(法学政治学研究科、公共政策大学院 院長)

プロジェクト構成メンバー

内冨素子(政策ビジョン研究センター非常勤講師)、永井雄一郎(政策ビジョン研究センター特任研究員)

共同事業者

株式会社三菱総合研究所

関連リンク

株式会社三菱総合研究所
宇宙政策・サイバーセキュリティに関する外交・安全保障シンクタンク形成事業(ESPRIT)