「地域新生のデザイン2」電子書籍にて出版
2012/11/14
電子書籍(honto他)の形で「地域新生のデザイン2〜つながり力が決め手(松島克守・坂田一郎他編著)」を出版致しました。
本書は、地域経済の活力(創造力と実行力)を生みだす大きな源泉の一つは、地域内における企業間や産学の間の「つながり」であるとの仮説に立って、地域内におけるつながりの質量と経済活力との関係について実証的な分析を行い、仮説の検証を行っています。具体的には、まず、国内の経済環境の異なる18の地域経済圏を取り上げ、数万件の取引情報や産学の共同研究情報をもとに、それぞれについて、企業間・産学間のネットワークを客観的に把握し、可視化を行っています。次に、ネットワーク分析で持ち入られる指標を用いて、ネットワークの規模や構造を指標化することで、地域間の比較を可能としています。そして、比較分析の結果、ネットワークの規模や構造がイノベーション力を一定程度左右していることを明らかにしています。最後に、これら分析結果を踏まえて、地域の新生のために必要な政策について提言を行っています。
企業間取引情報を用いたネットワーク分析の手法は、東日本大震災の際に、被災したサプライチェーンの把握の手法の一つとして用いられましたが、本書は、地域毎の分析結果を図表を用いてわかりやすく示しているため、ネットワーク分析といった手法に深い興味がない方にとっても、よみやすい形となっています。
坂田一郎
政策ビジョン研究センター教授
工学系研究科総合研究機構イノベーション政策研究センター上席研究員