センター長 あいさつ
2012/4/1
こちらは、ページ下にございます城山英明センター長によるビデオメッセージのスクリプトです。
東京大学の政策ビジョン研究センターは、総合大学である東京大学の利点を活かして、関連する多分野の各部局における研究を結びつけ、エビデンスという形で最先端の研究成果として展開させ、それを現実の社会における課題解決のための複数の政策の選択肢として提言・発信していくことを目的としている組織です。
2008年に設立され、現在まで約3年強活動をしております。具体的には11の研究ユニットで活動を行うと同時に、新しく3つの研究実証プロジェクトもできております。そうした中で、約76人の研究者が様々な形で関わって、学際的な研究、つまり社会と連携した研究を進めております。
政策ビジョン研究センターは小規模な組織ではありますが、東京大学における多様な部局における研究と外部の様々な課題を結びつけていく、ある種のハブとして機能していくことになっています。また、国内だけではなく、国際的なネットワークも活用し、展開しつつあります。
この度、伊藤国際学術研究センターという建物が赤門の隣にできたのですが、そのセンターの新しいミッションの一つは、社会と大学をつなぐ、大学の社会に対する窓になるというものです。そういった趣旨もあり、この政策ビジョン研究センターは、この新しいセンターに居を移し、様々な関係者の方々と、ある意味では場も共有しつつ、今後活動を展開していこうと思っています。
具体的には、これまで通りではありますけれども、高齢社会・医療の問題、それから科学技術やエネルギーの問題、あるいは多様化する安全保障、地域における安全保障の問題について取り組んでいこうと思っています。
これまでの重要な活動は、学内の多様な研究を結び付けて、それをどう発信していくのか、ということでした。これも勿論重要なのですが、今後は、単にシーズ・オリエンテッド、つまり研究をどのように打ち出していくか、ということだけではなく、ニーズ・オリエンテッド、つまり社会の課題を発見し、構造化し、それに応じて大学の様々な研究を正に発見し、それらをつないで研究を組織していくというという方向にも活動を展開していきたいと思っています。そういう意味では、発信をベースにしつつ、同時にそれを研究の生産プロセスの方にもつなげていくということが今後の我々の新しい課題だと考えていますし、そのために、従来にも増して、研究の発信の方法や広報の仕方も工夫していきたいと考えています。このような形でセンターの新しいフェーズの活動を進めていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。