政策関連用語集
技術ガバナンス研究ユニット関連
- リスク
- リスクとは、「ハザード」(危害要因:何らかの害を及ぼす怖れのある物質やその状態、生物など)による被害の程度に当該ハザードの発生確率を掛け合わせたものである。このような被害の程度や発生確率には不確実性が存在することも多いため、リスク評価は必ずしも容易ではない。
- エネルギー安全保障
- エネルギー供給に関わる様々なリスク(供給途絶、価格の乱高下、エネルギー供給施設における事故やテロリズムなど)に対処するため、短期的な危機対策(備蓄や代替供給先の確保など)や、中・長期的対策(エネルギー効率の改善、資源や代替エネルギーの開発・導入、供給源の多様化や資源国との外交努力など)をとることを指す。
- 持続性
- 人への健康影響に焦点が限定されていた公害問題と異なり、近年の環境問題では、気候変動に伴う農業活動や災害への影響、生態系への影響といった多様な側面に関心が広がりつつあり、さらに、経済発展や安全保障を含めた多面的な影響を考慮する必要が出てきた。そのような関心対象の拡大を背景に持続性(サステイナビリティー)の確保が政策課題として浮上している。持続性には多様な要素があり、場合によってはこれらの諸要素が相互にトレードオフの関係に立つことも認識する必要がある。
- 科学技術の軍民転用
- 民生用に開発された科学技術が軍事目的に転用されること、逆に軍事目的に開発された科学技術が民生用に利用されることを「科学技術の軍民転用」と呼ぶ。このように軍事・民生両方に用いられる技術を「軍民両用(dual use)技術」とも呼ぶ。
- ロックイン
- 一定の技術を社会が選択した場合、その技術がその後の社会の選択を規定するという現象を指す。仮に、より優れた技術が登場したとしても、既存の技術が広く広まっているが故に優位を続ける。タイプライターのキーボードの配列をその例としてあげることができる。ロックインは、制度的、政治的に担保されることもある。
- ガバナンス
- 単一の主体としての政府が強制力を持って一元的秩序を維持しているガバメントに対して、分散的に資源を保有する社会の様々な主体が相互作用を行いつつ構築する秩序をガバナンスと呼ぶ。しかし、ガバナンスはエネルギー、交通、建築といった政策分野毎に縦割りで構築され、経路依存性に起因する変化への抵抗性を示すことも多い。社会環境が変化する中で、このようなガバナンスの構造を変革していくには、従来の政策分野を横断して情報と認識を共有する主体間のネットワークと政策プロセスを構築していく必要がある。
- ステークホルダー
- 意思決定に影響を与えうる関係者と、意思決定が影響を与えうる関係者の総称。意思決定において、その実現可能性を高めるという実用的視点、公共的な意思決定を開かれたものとするという公正性の視点、いずれの側面においても、ステークホルダーの意向を十分に考慮する必要があると考えられている。ステークホルダーを類型化し、それぞれの意向を把握・整理するための手法としてステークホルダー分析がある。
- 破壊的イノベーション
- 既存の価値観に基づけば短期的には製品の性能を引き下げる効果を持つイノベーションであり、既存の顧客は評価しないが、主流から外れた少数の新しい顧客には評価される性格を有するものを指す。例えば、デスクトップ・パソコンはメインフレームに対する破壊的イノベーションであり、ミニミルは高炉に対する破壊的イノベーションである。
- グリーンニューディール
- 米国オバマ大統領が、雇用や経済回復に貢献し、かつ環境負荷の減少に貢献することを目的に発表した、新たなエネルギー環境政策のこと。具体的には、再生可能エネルギーの倍増、低所得者層の住宅や連邦政府建物の断熱化、情報技術を送配電網に活用した、「スマートメーター」や「スマートグリッド」の整備、自動車の燃費基準の改善などを打ち出した。
- レギュラトリーサイエンス(規制科学)
- 規制の策定と実施のために用いられる科学的知識を指す。研究のための科学(リサーチサイエンス)と対置される。リサーチサイエンスでは、研究者は他人と異なる議論を展開するインセンティブを持ち、結論に到達する時間に制約がないのに対して、レギュラトリーサイエンスでは、限られた時間内での合意形成が求められる
- テクノロジーアセスメント(TA)
- テクノロジーアセスメント(先進技術の社会影響評価; TA)とは、従来の研究開発・イノベーションシステムや法制度に準拠することが困難な先進技術に対し、その技術発展の早い段階で将来のさまざまな社会的影響を予期し、社会的対応案を提示することで、技術や社会のあり方についての問題提起や意思決定を支援する制度や活動を指す。
- 研究の自由
- 研究の自由は、課題と研究方法の選択、研究過程及び研究成果の発表の自由を内包するものであり、憲法第二三条によって保障されている。知的革新を促すためにも自由な研究活動は不可欠である。一方、巨額の研究費投入や生命科学研究に伴う倫理的法的社会的問題への対応の必要性から、研究の自由を無制限に認めることはできない。
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