政策関連用語集
知的財産権とイノベーション研究ユニット関連
- オープンイノベーション
- 自分の会社内で生み出した技術やアイデアだけに依存せず、外部のそれらを取り入れて実施するイノベーションのことをいう。典型的には、技術のライセンス、技術を持つベンチャー企業の買収、産学の連携、地域内での企業コンソーシアムの形成等がその手段となる。現在、市場競争の激化や製品開発スピードの加速等に後押しされて、オープンイノベーションが進展している。この概念の提唱者としては、ヘンリー・W.チェスブロウが著名である。
- グリーンイノベーション
- 深刻化する地球環境問題の解決に貢献するイノベーションのことをいう。また、この性格を持ったイノベーションによる経済成長を目指す考え方を「グリーン・グロース」という。対象となる技術としては、太陽光発電、燃料電池、二次電池、ヒートポンプ等が含まれるが、東大を初めとする我が国の研究機関は、これらの領域において世界的にみてトップクラスの競争力を持っている。
- サイエンスリンケージ
- 製品やサービスに利用される技術(産業技術)がどの程度、科学(サイエンス)に依拠しているかを示す指標。通常、一つの特許が引用する論文の数で測られることが多い。この計算方法を用いると、日本の産業技術群(日本企業の特許出願)は米欧のそれらに比べてサイエンスリンケージがかなり低いと評価されている。坂田ほかは、グリーンイノベーション領域等において、今後、日本のサイエンスリンケージも上昇すると予測している。
- 特許審査ハイウエイ(PPH)
- 「特許審査ハイウエイ(PPH)」は、第1庁(最初に審査を行う国の特許庁)で特許可能とされた判断を有する出願について、出願人の申し出により、第2庁(他の国の特許庁)において簡易な手続きで早期審査が受けられるようにする枠組み。複数の国での権利化のスピードを早くするとともに(特に、国際市場で販売する製品の技術についてはニーズが高い)、各国特許庁の審査の負担を軽減する効果も持つ。現在、急速にハイウエイ網が拡がりつつある。
- グレースピリオド
- 「グレースリオド」とは、発明の公表(例えば論文発表)から特許出願までに認められる猶予期間。特許の要件として新規性があるが、発明が出願前に公表された場合、たとえそれが発明者自身による開示であっても、新規性を失わせることとなり、特許を得ることができない。大学の研究者等については、この原則が酷に過ぎると考えられる場合もあり、一定の猶予期間を設けて例外を認めている。期間及び条件は日米欧で異なっている。
- 仮出願制度
- 米国が導入した「仮出願制度」とは、特許請求の範囲と要約等を必要とせず、明細書と図面のみで仮の出願をした後、1年以内に本出願に移行できる制度である。この制度のメリットは、比較的簡便な手続きで行える仮出願の日付(仮出願日)で早い出願日を確保できること等と言われている。日本には存在しない。
- パテントトロール
- 「パテントトロール」については、定まった定義は存在しないが、自らは保有する特許権を用いた財・サービスの生産は行わず、自らが保有している特許権を侵害している疑いのある者を見つけだし、それらに対し、巨額の賠償金やライセンス料を請求し、得ようとする企業・ファンド等のことを言うことが多い。パテントテロリスト等の用語も用いられる。
50音で検索
あ か さ た な は ま や ら わ
各研究ユニットの関連用語
▲このページの先頭に戻る