政策関連用語集
高齢者標準社会
我が国では、社会の高齢化がかつてないスピードで進展をしています。高齢化率は、20年後には30%、35年後には40%を超えると予測されています。一方、医療の高度化等に伴って、高齢者の中の健康人口も増加しており、社会において大きな位置づけを占めるに至っています。ただ、概ね健康な状態にあるとは言っても、加齢に伴う身体能力や認知能力の若干の低下は避けられません。
以上のようなことを考えると、経済活力を維持し、また、国民の幸福実感を高めていくためには、社会全体を、高齢者の低下した身体、認知能力の水準に対応した、またはそれを補う措置を盛り込んだ構造へと総合的に変革していく必要があります。低下した身体、認知機能の水準を社会の「標準」とみて、それよりも高い水準を要求している社会インフラの見直しを行う必要があるのです。変革の対象としては、住宅・街づくり、交通、コミュニケ—ションのインタフェース、地域社会活動、後見制度等、多岐に渡る領域があると考えています。また、このような社会構造の実現には、我が国が育み、蓄積してきた新技術やアイデアの出番が多くあるはずです。
政策ビジョン研究センターでは、そのような構造を持つ社会を「高齢者標準社会」と名付けました。(最終提言:「シルバーニューディール」でアクティブ・エイジング社会を目指す)
この概念は、復興推進委員会『「新しい東北」の創造に向けて(中間とりまとめ、2013年6月)』の中で、目標とする5つの社会像の一つを表すため、『「高齢者標準」による活力ある超高齢社会』として用いられています。また、これを受けて、「経済財政運営と改革の基本方針について」(いわゆる政府の骨太方針、平成25年6月14日閣議決定)においても、復興の加速等の中で、この用語(「高齢者標準」)が「高齢者を地域づくりの標準に据えること」という注釈付きで用いられています。
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