知的財産権とイノベーション研究ユニット
設置日:08/12/18
趣旨
知的財産制度が企業のイノベーションに与える影響は複雑化しています。特に近年のイノベーションのオープン化、出願の急増、学術研究と産業技術との接近(サイエンスリンケージの上昇)、新興国の台頭等の変化は、その関係を益々複雑なものにしており、知的財産制度がイノベーションを阻害する側面も指摘されていることから「イノベーションを促進する知財制度の在り方」は最も注目される研究課題であるといえるでしょう。このような現状を踏まえ、新たなイノベーション環境に適切に対応し、イノベーションを促進する制度を作るとの視点から、『次世代の知的財産権制度(特に特許制度)のあり方』について研究を行い、それに基づいて政策選択肢の発信を行います。
内容
世界の知的財産権制度(特許制度)は、構造的な変革期にあります。知的財産権制度がイノベーションに与える影響の実証的研究、オープン・イノベーションの進展等の環境変化が制度に及ぼす影響の学術的研究等を踏まえ、世界における『次世代の知的財産権制度』にあり方について、体系的な改革の選択肢を示します。これに含まれるのは、例えば、権利の保護と利用のバランス、特許の質向上のための制度・運用改革や国際協力のあり方、国際産学連携等増加している複雑なケースへの特許管理 、大学における特許管理のあり方です。中国における知財とイノベーション、仮想空間の知的財産法、標準と特許などはまた我々の新しい研究テーマです。さらに特許と学術情報のシームレスな検索システム等、知的財産制度運用のインフラのあり方についても提言を行います。
活動報告
- 「2020年IoT、BD、AI時代にむけた知財戦略」提言とそのフォローアップについて 2017/10/31
- 新興国におけるイノベーション・技術標準と知的財産戦略研究会 2010年度 報告書(抜粋編) 2011/03/06
①まえがき
②最近の中国のイノベーション政策と実態
③中国のイノベーション・技術標準・知的財産戦略に対する日本の視点
④中国のイノベーション・知的財産・技術標準戦略に関する論点と課題 - 「新興国におけるイノベーション・技術標準と知的財産戦略研究会」を発足しました 2010/09
- 2009年度 活動報告 2010/03
- 国際シンポジウム2009:イノベーションにおける競争と協調 09/06/11
「未来を創造する特許制度のための15の提言」 09/07/27 - 仮想世界と法を考える研究会 09/07/27
- 大学の特許を考える会@東京大学の開催について 09/09/04
- 日米欧三極知財シンポジウ 09/11/12
「日米欧三極知財シンポジウムへのアカデミアからの提言」 09/11/12
関連研究
責任者
- 渡部俊也教授(政策ビジョン研究センター副センター長、大学執行役・副学長、先端科学技術研究センター併任)
- 坂田 一郎教授(政策ビジョン研究センター、工学系研究科)
ユニット構成メンバー
- 橋本和仁教授(政策ビジョン研究センター)
- 片岡一則特任教授(政策ビジョン研究センター)
- 芳川恒志特任教授(政策ビジョン研究センター/公共政策大学院)
- 森純一郎准教授(数理・情報教育センター)
- 杉山昌広准教授(政策ビジョン研究センター)
- 平井祐理特任助教(政策ビジョン研究センター)
- 杉光一成教授(金沢工業大学教授、政策ビジョン研究センター客員研究員)
- 各務茂夫教授(産学協創推進本部)
- ほか