平成26年度のイベント

Governing Complex Risks in the 21st Century: Nuclear Disasters, Technological Risks and Global Systemic Risks

ワークショップ

平成26年5月2日

ブリティッシュコロンビア大学

概要

本ワークショップは、ブリティッシュコロンビア大学、アジア研究所(IAR、The Institute of Asian Research)らと共催で、複合リスクのガバナンスのあり方をテーマに、原子力由来のリスクの事例や国家レベル、グローバルレベルでの取り組みの報告をもとに議論することを目的として実施した。 原子力災害(由来)のリスクを事例とした、複合リスクの課題について、城山教授(“Regulatory “Failure” of Japan’s Nuclear Safety Regulation and Complex Risk Governance”)及び、松尾特任研究員(“Governance issue in face of complex risk and uncertainty – the case of radionuclides in food after Fukushima”)から、オール・ハザード・アプローチに基づく包括的なガバナンスに向けた取組みを日本やグローバルなレベルで実施する必要性について、岸本特任教授(“An exploratory risk mapping as a first step towards a system for risk governance at a national level in Japan”)とIAR所長のティベルギアン教授(“Governing Global Systemic Risks: Innovation and Leadership”)から、それぞれ発表がなされた。その後、以下のパネリスト及び会場との議論を行った;Milind KANDLIKAR(Professor, Liu Institute of Global Issues &amb; Institute for Resources, Environment and Sustainability, UBC);David EDGINGTON,(Professor, Department of Geography, UBC);Kathryn HARRISON(Professor, Department of Political Science, UBC);Masao NAKAMURA(Professor, Sauder School of Business, UBC)。

Workshop: Risk and Security —— Redefining the Concept and the Structure of Governance

ワークショップ

平成26年7月16日

山上会館

概要

本ワークショップは、安全を対象としてきた「リスク」のコミュニティと「セキュリティ」を対象として研究してきた二つの異なる研究コミュニティの専門家を集めて議論することにより、「リスク」と「セキュリティ」の概念の接点や差異、より良いガバナンスのあり方についての課題を洗い出すことを目的とした。まず問題提起として、岸本特任教授(Mapping out the diverse use of key concepts relevant to “risk and security”)、藤原教授(Origins of Threat and Security: Securitization and International Relations)、ヘン教授(Heng, Risk and Anglo-American Strategic Thought)がリスクとセキュリティの領域における概念整理を含めた発表が行われた。続いて、具体的な事例を念頭にするためのインプットとして、谷口教授(Institutional Challenges for Building and Maintaining A Secure and Resilient Japan)の発表が行われた。そのうえで、ガバナンスについてグローバルな観点から考察をするため、ティベルギアン教授(Governing Systemic Risk at the Global Level)が、個別イシューのガバナンスを検討するための観点から温暖化を事例に杉山講師(Security implications of climate change risks)から発表が行われた。安全、セキュリティ両領域においても、共通してリスクが多様化・複雑化している傾向があり、そうした変化を受けて、どのような制度設計のもと対応していくのか、というガバナンスの課題があることが分かった。

これからの日本のリスクを俯瞰する

シンポジウム

平成26年10月29日

伊藤謝恩ホール

概要

今後10年程度を視野に入れたとき、日本が抱える可能性のある主要なリスクの構造の可視化を試みた日本のリスク・ランドスケープ調査について三國谷東大教授より、および緊急事態対処におけるエネルギー確保などの検討を行ったレジリエント・ガバナンス研究会の成果を浦嶋鹿島専務理事及び浅野経産省課長補佐より報告が行われた。続いて、社会・経済・地政学・技術・環境などの専門家(森田社人研所長、白波瀬東大教授、西村東大教授、小林慶大教授、藤原東大教授、加藤東大教授、坂井東大教授、渋谷東大教授、蛭間DBJ主幹)の参加を得て個別分野の主要なリスクやそれらの相互連関性などについてのラウンドテーブル・ディスカッション(座長:谷口教授、岸本特任教授)を行い、全体総括(司会:城山教授)でシステミックな性質をもつリスクへの包括的なリスクマネジメントおよび意思決定の分野横断的な課題を論じた。