趣旨
急速な人類の平均寿命の延長、あるいは進む業種・働き方の多様化は、年金、保険、医療、定年制度、食事、など、様々な領域で既存とは異なるニーズが顕在化している。そのため、伝統的なライフスタイル、既存のライフスタイルを超える、多様化した人々のニーズを満たす新たなるライフスタイルを産官学民で再定義していく必要がある。ライフスタイルの基本である、食事、運動、メンタル、睡眠、病気、寿命などの医学的要素はもちろんのこと、家庭、仕事、防災、政治、地域との関わりなど社会的要素、趣味、占い、音楽などの感情的要素なども考慮に入れた、総合的なライフスタイルのデザインを探求していくことが当ライフスタイルデザイン研究ユニットの使命である。
例えば、企業健診のような既存型の健康診断だけでは現代社会のニーズにあった健康状態を十分に把握することはできず、より多面的な健康状態を把握したいというニーズが生まれてきている。また、従来の医療的介入だけではなく、ライフスタイルのデザイン・改善指導を通じて、個別の健康増進や労働生産性の向上・健康寿命延伸効果を目指す動きもでてきている。
そのため、これらライフスタイルに呼応したソリューションミックスを構成する製品・サービスの効果を評価・可視化する基準・手法を検討するとともに、その評価を担う第三者的機関のあり方等について提言を試みる。
ライフスタイルにおける消費者の自発的選択を促す市場主導型イノベーションエコシステムの創出や新たな生命・生活関連産業が育成に寄与しうる。また、ライフスタイルにおける新たなるデザインの必要性は、地方自治体等政府の政策に関しても認識されており、自治体・企業・アカデミアが連携した社会実験等を調査分析することにより、最適なライフスタイルデザインの検討を進めて行きたい。