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モデル相互比較の大量のデータを可視化するためのオープン・ソースのツールmipplot(R言語ベース)の開発2019.2.8
モデル相互比較の大量のデータを可視化するためのオープン・ソースのツールmipplot(R言語ベース)の開発
お知らせ
東京大学政策ビジョン研究センター(PARI)杉山昌広准教授、王嘉陽特任研究員、および地球環境戦略研究機関(IGES)の Diego SILVA HERRAN リサーチマネージャー・PARI客員研究員(リサーチャー)によって開発されたデータ可視化ツール「mipplot」(ベータ版)を一般公開しました。
このツールはPARI と IGES によって共同開発されたもので、ユーザーはエネルギー経済モデルおよび統合評価モデルによって生成された気候緩和シナリオのデータからグラフを作成することができます。
現在のバージョンは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の1.5℃特別報告書(SR1.5)および第5次評価報告書(AR5)のシナリオデータ、ならびにIPCCに寄与するその他のシナリオに適用することができます。
温室効果ガス(GHG)排出削減策検討のための政策プロセスに貢献するために、研究者は21世紀のエネルギー需要および経済発展への影響を考慮したGHGsの削減経路を計算し、定量的シナリオ評価の形で発表してきました。「mipplot」は関係者、政策立案者、および研究者がこれらのシナリオからデータを容易に抽出・表示し、シナリオの含意を理解するのに役立ちます。
「mipplot」は、GHG排出量の長期削減の評価に関心がある人々のためのオープンアクセスツールとして開発されました。気候変動の緩和策の関わる研究者や学生は、自由にソフトを利用・拡張し、エネルギー経済モデルおよび統合評価モデルによるGHG排出シナリオやエネルギーシナリオを分析することができます。
将来のバージョンアップでは、ツールの操作を簡単にするための対話型インターフェイス、複数言語での作図、変数の操作などさまざまな改良を加えて、専門知識が少ないユーザーにもより使いやすくする予定です
URL
https://github.com/UTokyo-mip/mipplot
謝辞
mipplotは(独)環境再生保全機構「研究総合推進費」(2-1704)とIGES「戦略研究基金(SRF)」の支援により開発されました。
参考文献
Wang, J., Silva Herran, D., Sugiyama, M. (2018, November). An Open-source Tool for Analyzing and Visualizing the Mitigation Scenarios Data from IAMs, Poster presented at the 11th Annual Meeting of the IAMC, Sevilla, Spain.
王嘉陽, スィルバ エラン ディエゴ, 杉山昌広, 白木裕斗 (2018年1月).「マルチモデル分析に基づく気候政策を分析するオープンソースツールの開発」, エネルギー・資源学会第34回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス,東京砂防会館.
Silva Herran, D., Sugiyama, M., Shiraki, H. (2017, December). Development of an open-source, simple analysis tool of mitigation scenarios from IAMs, Poster presented at the 10th Annual Meeting of the IAMC, Recife, Brazil.
ual Meeting of the IAMC, Recife, Brazil.