2019年4月1日をもちまして、政策ビジョン研究センター(PARI)は未来ビジョン研究センター(IFI)に組織統合いたしました。
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最新情報はIFIウェブサイトをご覧ください。(最終更新日2019年3月31日)

プログラム

14:30  開会
14:30-15:15 「日本の美術館をめぐる諸問題(仮)」( 東京大学人文社会科学研究科, 政策ビジョン研究センター 小林 真理 教授)
15:15-15:30 休憩
15:30-16:15 「欧州中規模都市における文化政策を軸にした都市再生戦略」(株式会社博報堂 クリエイティブ・プロデューサー 鷲尾 和彦 氏)
16:15-17:00 ディスカッション
17:00 閉会

概要

「日本の美術館をめぐる諸問題」(小林 真理 教授)
これから日本の国立・公立美術館はどうなっていくのか。コレクション形成はできてきたのか。
海外ではコレクションを中心として常設展示が中心になっている現状で、国立西洋美術館の成立を例に挙げ、 コレクションを集めて美術館をつくることに対し、「同時代の美術をいつでも見ることが出来る国立の展示施設」という2つの傾向を提示する。
また、学芸員という切り口から国公立美術館の財政状況を明らかにし、運営の在り方を問うとともに、美術館における「美術の価値付け」に関する議論を行う。


「欧州中規模都市における文化政策を軸にした都市再生戦略
〜オーストリア・リンツ市とアルスエレクトロニカ社〜」 (鷲尾 和彦 氏)

衰退の危機にあった重工業都市から、先端技術を核とする文化産業都市へのパラダイムシフトを実現したオーストリア・リンツ市。 現在ではヨーロッパの中でも最も起業家率の高い都市のひとつへと成長を遂げたその成功要因は、市民の発意でスタートした アートイベントをきっかけにした産官学民のパートナーシップ構築と、文化政策が牽引するかたちで、社会政策、産業政策等の 包括的な政策が連携していったそのプロセスにある。この欧州の中規模都市の事例から、地域の価値創出力を高める文化の役割を みなさんとご一緒に考えてみたい。

講師略歴

小林 真理(Mari Kobayashi) /東京大学大学院人文社会学系研究科, 政策ビジョン研究センター 教授
東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学専攻, 政策ビジョン研究センター教授。
早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程満期退学。博士(人間科学)。
早稲田大学、昭和音楽大学で助手を務めた後、静岡文化芸術大学講師。2004年に東京大学に赴任。助教授・准教授を経て現職。
専門は文化政策学、文化資源学。
単著『文化権の確立に向けて~文化振興法の国際比較と日本の現実』(勁草書房)、共著に、(『文化政策学̶法・経済・マネジメント』(有斐閣)、 『アーツマネジメント概論』(水曜社)、『グローバル化する文化政策』(勁草書房)、『指定管理者制度̶文化的公共性を担うのは誰か』(時事通信社)、 『アクセス公共学』(日本経済評論社)、『公共劇場の10年』(美学出版)、『行政改革と文化創造のイニシアティブ』(美学出版)、 Cultural Policies in East Asia,Palgrave Macmillan)、『文化政策の現在1・2』(東京大学出版会)等。
日本文化政策学会理事長、文化経済学会<日本>理事、等を務める。

鷲尾 和彦(Kazuhiko Washio) / 株式会社博報堂 クリエイティブ・プロデューサー/「生活圏2050」プロジェクトリーダー
株式会社博報堂 クリエイティブ・プロデューサー/「生活圏2050」プロジェクトリーダー
戦略プランニング、クリエイティブ・ディレクション、文化事業の領域で、産業界や地方自治体とのプロジェクトに従事。
著書に「共感ブランディング」(講談社)、『アルスエレクトロニカの挑戦~なぜオーストリアの地方都市で行われるアートフェスティバルに、 世界中から人々が集まるのか』(学芸出版社)。
また写真家としても、写真集『極東ホテル』『遠い水平線』『To the Sea』、作家・詩人の池澤夏樹氏とともに東日本大震災発生直後から被災地を取材した レポート『春を恨んだりはしない』等の著書がある。