2019年4月1日をもちまして、政策ビジョン研究センター(PARI)は未来ビジョン研究センター(IFI)に組織統合いたしました。
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最新情報はIFIウェブサイトをご覧ください。(最終更新日2019年3月31日)

趣旨

医療現場での課題解決に向け様々なテクノロジーが導入される中、AI(人工知能)などの萌芽的技術の臨床現場での実装も始まりつつあります。現場での課題を熟知している医師による開発や実装、また医師と協働する開発者ら、社会実装に向けた仕組みをつくる政策関与者も増えてきました。

そこで、医療現場でのAIの活用を進める医師や開発者らを講師にお招きし、具体的な臨床現場の課題解決にどのように役に立つのか、現状と課題についてお伺いいたします。また、今後どのように実装されていくのか、政策関与者も含めて議論を行います。

セミナーシリーズは医師がかかわる臨床現場の課題ごとに、第1回「開業医とAI」(2019年1月19日)、第2回「内視鏡とAI」(2019年1月27日)、第3回「内科とAI」(2019年2月3日)、第4回「ゲノム医療とAI」(2019年2月16日)、第5回「眼科とAI」(2019年2月24日)の5回開催します。ご関心のある回にぜひご参加ください。

本セミナーシリーズは、医師や開発者、政策関与者らが、それぞれの経験や知見を基に、開発・臨床現場で役立つ情報を共有し、関係者同士の交流をはかることで、医療現場での新しいテクノロジーの実装を進めていくことを目的としています。そのため、毎回講師の方には30分程度話題提供いただいた後、参加者全員でのディスカッションを行います。


セミナースケジュール

第1回 テーマ「開業医とAI」
日程 2019年1月19日(土)15:00~17:00、17:00~19:00(懇親会)
場所 理化学研究所革新知能統合研究センター(東京都中央区日本橋1-4-1日本橋一丁目三井ビルディング15階)
講師 目々澤肇氏(東京都医師会理事、目々澤医院院長) 講演レポート
田澤雄基氏(慶應義塾大学医学部精神・神経科、MIZENクリニック豊洲院長) 講演レポート

第2回 テーマ「内視鏡とAI」

日程 2019年1月27日(日)15:00~17:00、17:00~19:00(懇親会)
場所 東京大学山上会館地下002会議室(東京都文京区本郷7丁目3−1)
講師 平澤俊明氏(がん研有明病院上部消化管内科副部長) 講演レポート
青木智則氏(東京大学大学院医学系研究科内科学専攻博士課程) 講演レポート

第3回 テーマ「内科とAI」
日程 2019年2月3日(日)15:00~17:00、17:00~19:00(懇親会)
場所 理化学研究所革新知能統合研究センター(東京都中央区日本橋1-4-1日本橋一丁目三井<ビルディング15階)
講師 沖山翔氏(アイリス株式会社代表取締役、救急専門医) 講演レポート
巣籠悠輔氏(株式会社MICIN最高技術責任者、東京大学招聘講師) 講演レポート

第4回 テーマ「ゲノム医療とAI」
日程 2019年2月16日(土)15:00~17:00、17:00~19:00(懇親会)
場所 東京大学山上会館地下002会議室(東京都文京区本郷7丁目3−1)
講師 湯地晃一郎氏(東京大学医科学研究所特任准教授) 講演レポート
西村邦裕氏(株式会社テンクー代表取締役社長CEO) 講演レポート

第5回 テーマ「眼科とAI」
日程 2019年2月24日(日)15:00~17:00、17:00~19:00(懇親会)
場所 東京大学伊藤国際学術研究センター3F 中教室
講師 田淵仁志氏(ツカザキ病院眼科創業者・主任部長、眼科専門医) 講演レポート
升本浩紀(ツカザキ病院眼科・人工知能エンジニアチーフ、医師) 講演レポート
三宅正裕氏(京都大学大学院医学研究科眼科学教室 特定助教) 講演レポート

講師プロフィール

【第1回】
目々澤肇(めめさわ・はじめ)
目々澤医院院長
1981年獨協医科大学卒。卒後日本医科大学第二内科で脳卒中研究に取り組み、医学博士取得後、スウェーデン・ルンド大学実験脳研究所にて大学院医学博士課程修了(Ph.D)。日本医科大学附属病院第一病院内科医局長。日本医科大学付属千葉北総病院脳神経センター副所長を経て開業、医療法人社団目々澤醫院院長となる。現在東京都医師会理事を務め、都内病院の電子カルテを結ぶ東京総合医療ネットワークを構築中。

田澤雄基(たざわ・ゆうき)
慶應義塾大学医学部精神・神経科、MIZENクリニック豊洲院長
2014年慶應義塾大学医学部卒。医学部生時代に医療IT系企業を起業し、売却。研修医を経て慶應義塾大学医学部精神・神経科に入局。大学院生として、人工知能やIoTを活用した精神疾患の診断研究に従事。また同時に同医学部の産学連携プロジェクトを担当し、健康医療ベンチャー大賞を設立、実行委員長を務める。独自の取り組みとして夜18-22時に診療する予防専門MIZENクリニック豊洲を開業し、働く人のための夜間診療を行っている。

【第2回】
平澤俊明(ひらさわ・としあき) がん研有明病院上部消化管内科副部長
1974年生まれ。1999年高知医科大学医学部卒業。卒後の3年間、聖路加国際病院で内科を中心とした初期研修を行った。2002年に千葉大学第一内科に入局し、消化器専門研修を行い、君津中央病院などで消化器内科医として研鑽を積んだ。2004年から東葛辻仲病院で大腸内視鏡を中心に研鑽し、2006年からはがん研有明病院に勤務し、胃癌の診断と内視鏡治療を中心とした臨床および研究を行っている。2016年からAIによる胃癌診断の研究を開始し、2018年に世界初の“AIによる胃癌の拾い上げ診断”の論文を発表した。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。日本消化器内視鏡学会「早期胃癌診断のための内視鏡ガイドライン」作成委員。

青木智則(あおき・とものり)
2010年東京大学医学部卒業後、国立国際医療研究センター病院での初期研修・消化器内科後期研修を経て、2013年より東京大学大学院医学系研究科内科学専攻博士課程。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本内科学会認定医、日本カプセル内視鏡学会医。現在の研究領域は消化管出血や小腸疾患。

【第3回】
沖山翔(おきやま・しょう) アイリス株式会社代表取締役
2010年東京大学医学部卒業。日本赤十字社医療センター(救命救急)での勤務を経て、ドクターヘリ添乗医、災害派遣医療チームDMAT隊員として救急医療に従事。2015年 医療ベンチャー株式会社メドレー、執行役員として勤務。メドレーではAI技術を用いた「症状チェッカー」を開発。2017年 アイリス株式会社を創業、AI医療機器の研究開発を行う。産総研AI技術コンソーシアム委員・医用画像ワーキンググループ発起人、同AI研究センター研究員、救急科専門医。

巣籠悠輔(すごもり・ゆうすけ) 株式会社MICIN最高技術責任者、東京大学招聘講師
Gunosy、READYFORの創業メンバーとして、エンジニアリング、デザインを担当。大学院修了後は電通にてデジタルクリエイティブの企画・制作、ディレクションに従事。Googleニューヨーク支社勤務を経て2016年、株式会社情報医療(MICIN,Inc)を共同創業。2016年9月より東京大学招聘講師。東京大学工学部システム創成学科卒(首席)、東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻卒。著書に「詳解ディープラーニング」等。

【第4回】

湯地晃一郎(ゆじ・こういちろう) 東京大学医科学研究所国際先端医療社会連携研究部門特任准教授
1995年東京大学医学部医学科卒。2001年東京大学大学院医学系研究科内科学専攻修了(医学博士)。専門は血液内科学、臨床遺伝学、臨床薬理学、臨床検査学。虎の門病院血液科、東京大学医科学研究所附属病院血液腫瘍内科、同病院抗体・ワクチンセンターを経て2014年より現職。

西村邦裕(にしむら・くにひろ) 株式会社テンクー 代表取締役社長 CEO
2001年東京大学工学部卒業。 2006年 東京大学大学院工学系研究科 博士課程修了。博士(工学)。同大学の研究員・助教を経て、2011年に株式会社テンクーを創業し、代表取締役社長に就任。大学の頃から、VR技術など情報技術を用いて、医療・ヒトゲノム情報の解析や可視化の研究に従事。大学の研究を社会に還元するために起業し、ゲノム医療のためのトータルソリューションソフトウェア「Chrovis」の開発を始め、ゲノム医療を情報面から推進する活動を展開。東京大学がん遺伝子パネル検査「Todai OncoPanel」の先進医療Bの情報解析を担当し、臨床の現場で貢献できるよう取り組んでいる。受賞はMicrosoft Innovation Award、IPA未踏IT人材発掘・育成事業、文部科学省 科学技術・学術政策研究所の「科学技術への顕著な貢献2018(ナイスステップな研究者)」など。

【第5回】

田淵仁志(たぶち・ひとし) 社会医療法人三栄会ツカザキ病院眼科ファウンダー/主任部長,眼科専門医,博士(医学・大阪市立大学),修士(経営学・名古屋商科学), EMBA (AASCB, AMBA)
H16年に国民皆保険制度堅持のための医療集約化を目指してツカザキ病院眼科を創業した。データウエアハウス(DWH)を自力構築し臨床基盤化した。15年を経てDWHは画像、動画データを中心に数百万件規模に成長し、臨床研究、品質管理、AI開発に最大限貢献している。データエコノミーパワーを小さな規模ではあるが実感している。国産アルゴリズムが日本医療のサスティナビリテイーの一助になると確信しAI開発パーティーに積極的に参加中である。

升本浩紀(ますもと・ひろき) ツカザキ病院眼科・人工知能エンジニアチーフ
2016年 東京大学医学部医学科卒業、2018年から三栄会 ツカザキ病院眼科にて勤務。日々眼科医としての臨床を行うかたわら、人工知能エンジニアのチーフとして開発を行っている。専門分野は眼底画像など画像の解析、その他動画解析や統計解析。人工知能学会やAsian Conference of Computer Visionの研究会でも発表を行っている。また、経営学や会計にも関心が強く、公認会計士試験合格、中小企業診断士資格も保有しており、常に「世の中の役に立つ」商品を目指した開発を行っている。

三宅正裕(みやけ・まさひろ) 京都大学大学院医学研究科眼科学教室 特定助教
2006年大阪市大医学部を卒業後、神戸市立中央市民病院で初期研修。天理よろづ相談所病院での勤務を経て、京都大学大学院、ハーバード公衆衛生大学院を修了。2015年から厚労省保険局医療課で医療機器の保険適用、先進医療及び診療報酬改定に従事し、2016年からAMEDにて臨床研究・治験及びICTの基盤整備を行うなど医療研究開発に携わった。2017年より現職。近視・黄斑疾患・緑内障を専門として診療に従事し、研究面では臨床研究、ゲノム・疫学研究、AIを主とする。日本眼科学会第5戦略企画会議(次世代医療)委員。Twitter: @eyemiyake

ディスカッサント

江間有沙(えま・ありさ) 東京大学政策ビジョン研究センター特任講師
2012年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。京都大学白眉センター特定助教、東京大学教養学部附属教養教育高度化機構特任講師を経て現職。2017年1月より国立研究開発法人理化学研究所革新知能統合研究センター客員研究員。専門は科学技術社会論(STS)。

藤田卓仙(ふじた・たかのり) 世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター ヘルスケア・データ政策プロジェクト長
2006年、東京大学医学部卒業。慶應義塾大学メディカルAIセンター、慶應義塾大学イノベーション推進本部とも兼任。医療政策学、医事法学、医療経済学、医療情報学の観点から、学際的な研究を行う。健康医療情報のプラットフォーム化と情報の利活用、大学医学部における産学官連携、地域包括ケアシステム・在宅医療における法政策、医療事故と専門職の責任、ヘルスケアにおける広告表示規制、医療等個人情報保護法制、医学領域における知的財産権などを研究テーマとしている。